エンゲージ 4

 

  

伊吹は悩み始めた・・・・・

(ぼんがおかしい・・・)

2日前から伊吹を避けるようになった。どこかよそよそしい・・・

 

ー思春期が来たんじゃ無いですか・・・−

安田文子はそういう・・・・・

薫子や加瀬に訊いた話を追求すると、なんとなくわかる気がした。

 

「ぼん・・・しばらく通いにします。」

夕食の席で、伊吹はそうきりだした。

「・・・・何処に・・・泊まるの?」

「事務所に」

「どうして・・・・」

「ぼんが・・・私といるのが気まずそうなんで・・・」

「一人になりたくないよ・・・・」

それが、伊吹の最大の心配だった。

「指輪は・・・重荷やったら、いつでも外していいんですよ・・・」

「!そういうことじゃあないよ。ただ・・・僕たち・・・どういう関係なんだろう。僕は伊吹のこと好きなんだけど、

それってどういう意味の好きなんだろう・・・・って・・・」

コップに水を注いで、差し出しつつ伊吹は笑う

「どういう意味の好きでもいいですよ・・・分析する必要ないです」

龍之介は差し出された水を飲む・・・・・・

「婚約指輪の意味も、一般の男女間みたいに思わんでいいんです。どんな関係であれ、私がぼんの傍に

ずっといるという約束みたいなもんですから・・・」

 龍之介は伊吹を見上げる

(伊吹はいつも優しい・・・)

「自然体でいいんです」

(いつも僕は、伊吹に尽くされている。)

「僕は・・・どうやって伊吹に答えたらいいんだろう・・・」

「私は・・・ぼんが傍にいてくれたら、それでええです」

 「伊吹は・・・どんな風に僕が好き?」

「私の全部です」

(僕も・・・・きっと・・・・伊吹が全部だよ・・・)

 

 

ずっと一緒に・・・・・・

 

それが二人のエンゲージ・・・・・・・・・・・・・・

 

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