6.愛情疑惑・・・
一時間目の授業を終えて、誠はちらと遼を見る・・・・
落ち着いたようで安心した反面・・・・・自分が落ち着かないのに気付く・・・・・
朝目覚めると遼がいた。それが何だか照れくさい・・・・
ー恋人と一晩過ごした次の朝はこんな感じなのかなー
と思う自分にあきれる・・・・・
「寝不足な顔してどうしたんだよ」
辻が声をかける。
「何でも無いよ・・・」
と言いつつ顔が赤くなる・・・・・
「怪しいな・・・・彼女でもできたか?」
「そんなんじゃねーよ!」
「まさか・・・いきなり経験しちゃったとか?」
「変なこというなよ!」
いきなりの大声に、周りの注目を浴びてしまった誠・・・・・・やれやれ、辻は両手をあげて首を振る。
「まだお子様だねえ・・・・誠ちゃん・・・」
「うるさい」
「片思いでもして・・・・夜な夜な悶々として寝不足とか・・・そんなのだろ?」
あたらずとも遠からず・・・・・・・
「誰さ・・・・相手は?」
黒板を消している遼の姿が目に入ってきた
「そんなの・・・・いないよ・・・」
俯いてそっぽを向く・・・・・・
「それはそうと・・・お前、最近、巻町と仲いいよなあ」
「ちがうぞ!俺達そんな仲じゃないぞ。友達だ!友達。」
「判ってる。いくら先輩達が昔、狙ってたからって、お前にそんな趣味無い事くらいわかるよ。」
ぎくっー
否定はしたものの、自信の無い誠・・・・・・・・
「でも、一部の女子達は騒いでるぞ・・・・ベストカップルだとか、受けとか・・・攻めとか・・・」
「なに?それ」
「さあ、つまり・・・そいつらの脳内では、お前らは恋人同士になっていて、誰もいない教室とかでいちゃつく仲になっている・・・・・と」
ぎょっー
誠は背筋が寒くなる・・・・・・・
「それって・・・気持ち悪いよなあ・・・」
ひきつった笑いで誠は言う
「ホントだったら友達辞める」
そうはっきり言われて誠は悩む・・・・・・
(でも・・・俺・・・最近・・・変なんだ・・・・)
「彼女・・・つくったら?モテないわけでもないんだし・・・」
彼女・・・・誠の脳裏に遼の横顔が浮かぶ・・・・・・おいおい!!!!頭をぶんぶん振る誠を怪訝そうに見詰める辻・・・・・
席に着くため、近づいてくる遼を見てアセる誠・・・・・・
「お前・・・今日・・本当におかしいぞ?」
(そう、俺はおかしい・・・・なんで遼はあんなに普通でいられるんだろう?いや、普通でいられない俺がおかしいんだ・・・・
しっかりしろ!野々宮誠!)
2時間目が始まるチャイムが鳴った・・・
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