見合い 2

 

  

ー仕事で出て来ますー

夜、伊吹は出て行った。

(おかしい・・・・・父さんが来た後の伊吹の様子もおかしいし、次の日から夜出かけるようになった・・・)

龍之介は嫌な予感がした

携帯が鳴り、薫子の声が飛び込んできた

「藤島さんいる?」

「出て行ったよ。仕事で・・・」

「やはり・・・お見合いは本当だったんだ」

「何?お見合いって・・・」

 

 

自室で放心状態の龍之介・・・・・

(伊吹・・・結婚するんだ・・・・仕方ないか・・・・もう28だし・・)

でも・・・・何故か・・・・・・・・・・・

(いやだなあ・・・・)

たとえ結婚しても、伊吹が龍之介の傍にいることには変わりない

しかし・・・・・

(なんで・・・嫌なんだろう???嫉妬してるのかな・・・)

左手の婚約指輪を見詰める・・・・・

(伊吹は・・・断るよねえ・・・・父さんの顔立てて、お見合いの席に出ただけなんだ・・・・断るよ・・)

思いとは裏腹に、不安が押し寄せてくる・・・・・・

(父さん・・・無理強いしてないよねえ・・・・相手の人が伊吹を気に入っちゃったらどうしょう・・・薫子さんだって

あんなに付きまとってるじゃないか・・・・伊吹って見た目カッコいいから・・・・ありえる・・・)

どんな立場であれ、伊吹は龍之介のそばにいるはずだから、結婚ごときで二人の仲はびくともしないはず。

(なのに・・・・どうして・・・)

あまりの辛さに布団を被ってうずくまる龍之介・・・・・

(僕は・・・変だ・・・)

 

 

「ぼん・・・・」

帰ってきた伊吹は、ベッドに丸まって眠っている龍之介を発見した・・・・・

激しい葛藤の末、眠りについた様が伺える。

(ばれたんか・・・)

龍之介を寝かしなおして布団をかける・・・・・・

(見合い一つが ぼんをこんなに苦しめるんか)

伊吹の心が痛んだ・・・・・・・

 

 

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